「男性の茶道用着物における家紋の意味とその選び方」
茶道は日本の伝統文化のひとつであり、その場面において着用される着物は、単に衣服としての機能を果たすだけでなく、格式や品位を示す重要なアイテムです。男性が茶道用に選ぶ着物には、家紋をつけることが多く、その選び方や意味合いを理解することは非常に重要です。
1. 家紋の意義と役割
家紋(かもん)は、家柄や血筋を象徴するシンボルで、歴史的には武家や貴族が使用していました。茶道の場では、家紋のある着物を着ることで、自分の家の格式や由緒をさりげなく示すことができます。茶の湯の精神が重んじられる場において、家紋は自分自身のアイデンティティを静かに表現しているのです。男の着物に家紋があると、それだけで雰囲気があり、格式も上がります。
2. 家紋の種類と配置
家紋には、数百種類以上のデザインが存在しますが、一般的には家に伝わる型を用います。男性の茶道用着物の場合、家紋は以下のような形式で持ちいられることが一般的です。
縫紋一つ紋:一般的に茶会用に多く用いられる家紋の形式です。色糸の刺繍糸で男性の茶会用の着物には縫紋が一つ入ることはよくあります。男着物に相応しい上品な色目の縫い糸で入っていると格式も高くなり、雰囲気もいいものです。
染抜き一つ紋:通常は、三つ紋ですが、時折、染抜き一つ紋のご依頼もあります。染抜き紋は、生地に家紋のデザインの紋糊を置き、染め上がり後に、紋糊を洗って落としてから、上絵を入れる技法です。この方法により、家紋の形が紋糊で置いたところが白抜きになり、控えめながらもはっきりとした存在感が出ます。男の着物の家紋は、直径約4センチあり目立ちます。
染抜き三つ紋: 背中と両袖の外側に家紋を置きます。茶道の正装としては、最も格式高い装いです。茶会の形式や場所により、染抜き
三つ紋がふさわしい場があります。当店では、お召の反物でも特殊な方法で、染抜き三つ紋を入れることができます。
染抜き五つ紋: 黒紋付の着物は、背中、両袖外側、両胸にそれぞれ一つずつ付ける形式で、特に格式の高い場で使用されます。家紋を入れる位置は、決まっています。武家茶道では、黒紋付の着物がよく使われております。凛々しい男の装いとして立派な雰囲気になります。
3. 家紋の選び方と作法
一般的な要素としては、家紋には、次のような点を考慮して選ぶことが大切です。歴史ある家柄の場合は、代々伝わる家紋を着用することで、伝統と文化を継承する意識を表現できます。茶道の場合は、茶会の規模や参加者の層に合わせて、家紋を入れた方がいいか、縫紋でいいか、染抜き紋か、紋の数は、と選択することが重要です。フォーマルな茶会では、家紋を入れることは多いです。家紋の色は、染抜き紋は白抜きで、縫紋は色糸です。縫い紋の色は着物全体の色に応じて変化させることがあります。男の袴姿に家紋があると、より装いも立派になります。
4. 家紋の歴史と装飾
家紋の使用は平安時代に遡り、当時は貴族が自らの家を識別するために用いたのが始まりとされています。茶道に取り入れられるようになったのは、茶道が侘び寂びを重んじ、格式を意識するようになった頃からです。一般的には、男性の着物姿では、羽織に縫紋を一つ入れますが、茶道では、背中に縫紋を一つ入れることがよくあります。家紋を施した着物を近くで見ると、その繊細な技術や造形の美しさによって心を動かされます。
男性の茶道用着物における家紋は、単なる装飾を越えて、その人が背負っている家柄や格式、その場所に対する敬意を表現するものです。家紋の選び方や意味を理解し、茶道の一部として正しく用いることで、より深い武家の精神や和の心を感じることができるでしょう。茶道の世界で家紋を入れることは、伝統と文化の継承を感じさせる特別な要素となります。
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