男着物・寸法関連についてQ&Aをご紹介しています。
Q. 羽織についているこのボンボンみたいなものは何て言いますか?
A. お客様からときどき、この羽織についているボンボンみたいなものは何ですか?と聞かれることがありますが、これは羽織の紐といいます。
羽織の紐は、通常は上部に小さな房がついていて、紐で結んであるタイプが一般的な羽織紐です。ここで羽織紐の種類をご紹介していきたいと思います。
1. 結び紐タイプ
@丸組み A平組み
紐結びのタイプは、丸組みと平組みに分けられます。従来からよくあるタイプは丸組みで房もやや長めです。当店では、房が短くて、平組みの江戸組み紐をおすすめしています。羽織の紐は江戸っ子は小ぶりなものを好むと言われているように、長めの大きな羽織紐は無粋とされ、敬遠されています。お客さまには、ほとんど江戸組みの羽織紐の平組みをおすすめしています。時々丸組みの羽織紐を使うときには、紐が細い「よう角」という羽織紐を用います。
@房つき(切り房、撚り房) A房なし
結び紐タイプでは、平組みの場合は房つきと房なしがあります。
房があるタイプは、江戸組み紐の場合には小さくできています。一般的な羽織紐は比較的房が大きくふわっとひろがります。
一般的に多いのは切り房と言って、房が均一に大きく広がりますが、寄り房というのは房がより込んで太いものです。広がらずに短くシャープな印象を受けます。
2. 無双タイプ
@中央に天然石 Aマグネット式
無双タイプは、両脇に紐があり、中央に天然石などのポイントがある羽織紐のことです。お相撲さんの羽織姿は、この無双タイプです。中央に大きな天然石があることで、よりお洒落な個性を演出することができます。このタイプは、伝統的なものとして愛用されています。
最近では、この無双タイプの変形で、中央にある天然石の代わりに木製でできた装飾品を取り付け、左右に引くとマグネット式に分かれると言うタイプもあります。
3. 天然石などビーズ系タイプ
@天然石やビーズ系タイプ A金属製のタイプ
当店で、創作しているものの一つに天然石とビーズを組み合わせた羽織紐があります。これは、大変人気で、当店のスタッフの手作りでどれも1点ものになります。価格は6,500円〜9,000円前後が多いです。
羽織紐は、色物の組み紐タイプは一般的に略礼装でも用いられます。白の羽織紐は、礼装の黒紋付袴では新郎などの主役のシーンで用いられます。ところが、同じ黒紋付の装いでも、兄弟などの婚礼の参列では色物の羽織紐を使うと新郎さんと区別がつきます。このように、羽織紐の色一つで自分自身の立場を表現できます。