男着物種類についてQ&Aをご紹介しています。
A. 男性の袴といえば、結婚式での黒紋付袴を連想されるように、羽織袴は一般的に礼装で使われています。そのため、袴は日常的にそれほど見かけなくなりましたので、着物の装いとして、特殊なものに思われている人もいるかも知れません。ところが、日本的な芸事では、袴姿が正装として使われていますので、袴姿を愛用している方は幅広くいられます。その他、礼装としての袴ではなく、普段着としての袴もあります。普段着の袴は、あまり一般的に知られておりませんが、袴を着る機会があれば、袴ファンが増えていくと私は思います。もう少し具体的に袴の着る場所を見ていきましょう。
茶道の茶会では、無地の着物に無地か縞の袴が一般的な正装です。弓道でも四段以上は審査会で着物と袴が義務付けられています。能や仕舞でも紋付袴で舞台での発表や、居合の演武でも黒紋付の着物に馬乗り袴を付けて演技をするのが通例です。その他、落語の世界や、競技かるた、三味線やお琴などの邦楽でも着物と袴は正装になります。茶道の流派の一部では、袴を着けない着物と帯だけの着流し正装とされるところもありますが、それは本当に珍しいケースです。日本的な芸事の多くで袴が使われているといってもよいでしょう。
普段着の袴で代表的なのは、野袴と言われる股がズボンのように上から分かれるタイプです。通常の袴といえば、すそが絞れているタイプが多いのですが、馬乗り袴のようにすそを広げているタイプもあります。
当店では、このタイプの袴を武者袴といってとても人気があります。武者袴は、普段着から外出着、略礼装として幅広く着用できます。
袴といってもいろいろな種類がありますので、用途によって活用の場所が多くあります。