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100のQ&A 回答実例集
男着物のTPO 

男着物のTPOについてをご紹介しています。

2-35 1)結婚式披露宴に、祖父の大島紬を着てもいいのですか?

A. 大島紬はどんなに高価なものであっても、普段着なので、結婚式に着ていくことはありません。卒業式などの式典でも同様です。
結婚式の披露宴は礼装、略礼装の場所になりますから、招かれた場合は、男性の着物姿は、色無地の着物と羽織に無地か縞の袴をつけて参加するのが、一般的な装いのルールです。

ただし、最近の婚礼では、ご両親も参加されないパーティ形式の気軽なものや、食事会の延長のように格式高い場所と異なる会場で行われるケースなど、列席者が袴姿で参加するとかえって主催者より目だってしまうケースなどは、袴をつけない羽織姿で参加する方がいい場合もあります。
それに主催者である方との立場関係でも、装いは異なってきます。

さて、ご質問の大島紬で結婚式に参加してみたいのですが、という質問ですが、これまでに何度か同じような質問をされるお客様が多いようです。
着物の知識などはまったくなくて、そもそも大島紬が普段着という種類の着物であることを知らない方がかなりおられるようです。勿論、着物に興味はあるけれど、知識がまったくない方もたくさんおられますから、知らないで恥ずかしいと言うこともありません。

これをきっかけに男着物の種類や柄で、どのように着る場所が異なってくるかを知って頂くといいでしょうね。

大島紬は、亀甲という柄があるものが主流です。100亀甲などというように、亀の甲羅のような柄が横に100個並んでいます。これを見ると、少し離れていても小さい柄が連続模様で繋がっているのが分かりますから、このような柄物は普段着の着物だと認識できます。
特に男性の着物は、無地や無地感覚のものは、略礼装からよそ行きの外出に向き柄がはっきりと分かるほど、普段着で気軽なカジュアルな着物だと区別することが出来ます。

ですから、もし同じ大島紬でも、亀甲柄でなく本場大島の白生地に無地染めしたものが着物や羽織だとすれば、大島紬(柄物)ではなくて、色無地の着物になりますからこの場合は、結婚式から各種式典など、略礼装の場所に着ていけるものになります。
大島紬という名称の着物が、婚礼にふさわしくないという意味よりも、普段着に感じられる柄物の着物は、格式のあるような略礼装には不向きです、というように理解すれば分かりやすいでしょうね。

ご質問で多いのは、父親からゆずり受けた着物が何か分からなくて、数ヶ月後にある友人の結婚式の披露宴に着ていけるだろうか、とか。リサイクルショップで購入した着物で、これを結婚式披露宴に着ていけるものだろうか、などと考えて、ご質問されるケースがよくありますが、色無地の着物が略礼装に着ていけて、柄物はよそ行きに向かないものだと知れば、今後も生地の種類によって、着ていける場所が具体的に分かると思います。

ですから、その意味で言えば、明治時代には、黒紋付が木綿の素材であっても礼装のものとして着られていましたし、現在でも、色無地の馬乗り袴に無地の羽織を合わせ、その下に着る着物は、木綿の色無地であっても、その装いを結婚式に着ていっても不自然に見えないでしょう。
「木綿の着物は結婚式には向きません」と一般的には解釈されていますが、このように無地の着物の場合は、袴と羽織を組合わせると、見える面積がかなり少ないので、コーディネート次第で工夫してしまえば、かなりよそ行きの場所に着られることも可能です。

ただし、現在の披露宴などでの着物の参加する場合は、あくまで全体の色や素材感とのバランスが大切です。いくら昔の黒紋付の素材が、木綿が活用されていたことがあったとしてもそれをそのまま現代に再現しても、素朴な木綿の風合が羽織として全体に見えるのであれば、それでも似合ってしまう人もいるでしょうし、貧相に見えてしまう人もいるでしょう。一般的にはあまりおすすめしません。

大胆で派手な柄物であれば、無地であるならば、昔着ていたウールのアンサンブルが、着物と羽織の同じ色なので、袴をつけて結婚式の披露宴にふさわしいかというと、昔のウールの素材は、普段着感覚の質感があります。近くで見れば、昔の着物という印象を感じてしまい、華やかな席ではむしろ、いい意味ではなく目だってしまうように私は感じています。無地がよそ行きになると言っても、着物姿全体の雰囲気を総合して考えて見ると答えが見つかるでしょう。

現在、新商品として入荷しているシルクウールなどは、まるでお召しのように高級な輝きが感じられ、近くで見ると市松地紋がはっきり分かります。
このような素材は、昔のウールでは全くなかったもので、結婚式披露宴でも羽織にして充分使えます。

大島紬という種類の着物の装いに付け加えて、着る場所と素材との関連性をご案内させて頂きました。参考になりましたでしょうか。


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