男着物のTPOについてをご紹介しています。
A. 着物を着るときは、通常は足袋を履きます。足袋の足先は親指と人指し指の間が二つに分かれていて、草履や雪駄、下駄などが履けるような形状になっています。底は厚手の木綿で出来ていて、足首のところでコハゼと言う留め金で留めます。
殆どの方は、足袋をご存知だと思います。
通常の着物姿では、足袋を履いてから、襦袢や着物を着ますので、その意味でも和装の一番最初に必要なもので、無くてはならないものです。
不思議なもので、着物姿や羽織姿でも、足元は足袋があって初めて和装が完成するように、機能性だけでなく、その足袋の形も和装として絵になるような形状をしています。
着物に着替えるときに、足袋を履くと、まずは気持ちが変化します。しゃきっとした心持ちになるのは、私だけではないと思います。
着物を着たときの足袋の色は、女性は白足袋が殆どですが、男性は色足袋か、白足袋どちらかになります。
女性の足袋が、どのような着物の種類であっても、白足袋が相応しいものですが、男性の場合は、礼装の場や、芸事の場では、白足袋を履きますが、それ以外の着物姿では色足袋を履くのが一般的です。色足袋では、グレーや紺、茶系がありますが、当店では、どのような場所でも向くようにグレー系の色足袋をおすすめしています。
以前は、男性の足袋と言えば、白足袋以外には、朱子の光る黒足袋や紺足袋が主流でしたが、黒足袋はあまり見られなくなりました。また紺足袋も普段着感覚で常時、着物を着られる方は好んで履いていられる方もいられますが、よそ行きの場では、くだけた印象になりますので、着物を初めて作られる方にはグレー色が、幅広い場所に着ていけるという点と、着物色に合わせやすい便利な色なのです。
あと、足袋を履かなくてもいい和装スタイルも存在しますのでご紹介します。
これは、足袋が不要という意味ではなくて、実際の例で和装の工夫という意味になるでしょう。例えば、普段着感覚の木綿の着物や、カジュアルな化繊着物には、足袋靴下を履いている方もいられます。
実際に近くで見ても、生地が厚く見えて足袋を履いているように感じられます。
これは、洋服で足袋靴下を履いていれば、足袋に履き替えなくてもいいという工夫かも知れません。
また、外出で草履や雪駄を履く必要がない室内だけの和装でしたら、
私自身の例で恐縮ですが、黒に近い墨色の武者袴に黒の靴下にしていることもよくあります。
寒いのが苦手な私は、冬などは防寒靴下で暖かくするためでもあります。
これらは、あえて真似をしなくてもいいのですが、和装の時に毎回足袋を履いていると、これも慣れてきます。足袋が和装の始まりと考えれば、大切な装いのポイントです。また足袋で足が痛くなる方がいたら、ストレッチの伸びる足袋を履いて見ましょう。
それだけで、きっと足袋の履き心地も楽になることでしょう。