男着物・家紋についてをご紹介しています。
Q. 我が家の家紋を知るにはどうしたらいいでしょうか?
A. ご両親の着物についている紋を見てみましょう。そこには、定紋として家紋が引き継がれているはずです。
または、お墓を見てみるのも一つの方法です。墓石には家紋が彫られていることが多いので、正確に知ることができます。
それでもわからない場合には、親戚の人に聞いてみると、おばあちゃんや、親戚の方など、わかる方がいらっしゃると思います。
通常は、父方、つまりお父さんの方の家紋を引き継ぐのが普通です。母方の実家に聞くと、家紋が違ってしまう可能性がありますので注意が必要です。
例えば、関東の場合ですと、嫁ぎ先に実家で作った着物を持っていく時には、実家の家紋を入れて持っていきます。それが女性の通常の習慣です。ところが、嫁いでから誂える場合には、嫁ぎ先の家紋を入れますから、そういう習慣があるということも知っておくと、両親の家紋が違っていた場合に参考になると思います。
また、ごく稀に、母方の家紋を引き継ぐという場合もありますが、これは珍しいケースです。
どのような場合でも、呉服屋さんに家紋を伝える時には、一般的な「定紋」であれば、名称を伝えればわかりますが、紋帳に載っていない紋の場合、「これは紋帳に載っていない家紋です」と伝えていただき、着物の紋を直接コピーするか、あるいは写真を撮ってお店に送るようにすると間違いがありません。
紋の画像を送る場合には、鮮明な画像が必要ですので、ゆがまないようにきれいに撮って呉服屋さんに渡すようにしてください。
さて、もうひとつ、家紋というのは、場合によって家のご主人が、若干変化させている場合もあります。例えば、「当店の家紋は今度からこれで行くよ」と、それまでの家紋の一部を変形させて伝える場合もあります。
そして、これはかなり特殊なケースですが、兄弟が多いお家などでは、「あなたの家紋は、ここをこうしましょう」「二男はここをこうしましょう」「三男はこうしましょう」などと、少しずつ家紋を変えているという例も時々聞くことがあります。
このように、家紋にはさまざまな歴史がうかがえることもありますので、興味があったら一度ご両親に聞いてみると面白いのではないでしょうか。